LOX-index
「新しい時代の血液検査」
将来の脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを表すバイオマーカー
*当院で受けられます
LOX-1とは
脳梗塞(第4位)・心筋梗塞(第2位)は日本人の主要な死因です。(厚生労働省平成5年人口動態統計の概況より)
その原因のひとつが脂質異常症であり、近年、頸動脈エコー、MRIなどの精密検査で現状を精査できるようになってきました。
しかし、将来にどの程度の疾患リスクを抱えているのかを予測できる有効なバイオマーカーは存在しませんでした。
LOX−1は、国立循環器病センターで発見された、酸化(変性)LDLの受容体です。
そのLOX−1と酸化(変性)を掛け合わせ指標であるLOX−indexは脳梗塞・心厳梗塞の発症リスクを表す新しいバイオマーカーです。
従来よリアテローム性動脈硬化の進展には脂質異常症が関与されているとされていましたが、LDLが血管内に入り込むメカニズムは十分
に解明されていませんでした。
しかし、国立循環器病研究センターでの研究によって、酸化(変性)LDLがLOX−1という受容体を介して血管内皮障害を引き起こすというメカニズムが解明されました。
これにより、動脈硬化の発生・進展を早期の段階から捉えることが可能になってきたのです。
脳梗塞発症群で約3倍、心筋梗塞で約2倍のリスク
LOX_indexは、血液中のLOX−1と結合する酸化(変性)LDL等の値と血中に放出されたsLOX−1の値から算出きれた指標です。
日本人約2,500名を対象とした約11年問のコホート研究(吹田スタディ)の結果から、LOX−indexが高い場合、低値群に比べて脳梗塞発症率でオッズ比約3倍、心筋梗塞発症率でオッズ比約2倍となることがわかりました。
これにより、LOX−indexが動脈硬化に関連する脳梗塞や心筋梗塞のリスクマーカーとして利用できる可能性が高まりました。